第8章 無限列車
全速力で飛ぶ鴉と鴉を追う杏としのぶ。
『しのぶさん、上弦に遭遇したことはありますか??』
し「ないですね…。」
『私もです。どれほどの強さなのか想像もつかないです。』
全速力で走りつつも、呟くように会話する2人。
し「煉獄さんが救援要請をだすほどです。
気を引き締めて行きましょう。」
『はい。…しかし、お館様の予感は本当によく当たりますね。先程の任務ももっとはやく終わらせるべきでした。』
悔しそうな顔を浮かべる杏。
し「そうですね。…思わず鬼と会話してしまうのは私たちの悪い癖かもしれないです。」
少し下を向き、ボソッと呟くしのぶ。
要「カァァー!!モウスグツク!!」
「『っ!!』」
鴉の言葉にピクッと反応し、遠くを見るように目を凝らす。
『……見えました!!
あそこ…ものすごい砂埃がまってます!!』
し「あそこに煉獄さんがいるのでしょうか。」
『急ぎましょう!!』
案内の要を抜き、加速していく2人。
徐々に砂埃がはれていき、戦況が見えてくる。
し「っ、あれは…!!」
『煉獄さん!!』
まだ距離があるが砂埃が完全にはれ、その状況に目を見開く。