第8章 無限列車
まだ目覚めていない者たちを診ているしのぶの方へ視線を送りながら微笑む杏。
し「杏さん。」
『はい。皆さん、失礼します。』
しのぶの呼びかけに応え、村人たちに断りを入れてしのぶの方へ向かう。
『どうでしたか??』
しのぶが診ていたまだ目覚めない隊士を見ながら尋ねる。
し「まだ目覚めてない隊士たちは少し多めに毒を打たれていたようですね。見たところ、少しだけですが戦った痕跡があります。」
『警戒したんですかね…。
あの鬼にとって反撃されること自体が驚きだった…ということでしょうか。』
し「おそらくそうでしょうね。
とりあえずこれでもう大丈夫です。」
最後の1人の腕に注射を打ち、立ち上がるしのぶ。
『村の方たちは皆さん大丈夫そうです。』
し「ありがとうございます。」
杏の報告に優しく微笑むしのぶ。
隠「胡蝶様。隊士の方たちは…」
し「目覚めてない方々は蝶屋敷へお願いします。
目覚めている方々にも近いうちに蝶屋敷へ診察に来るよう伝えてください。」
隠「かしこまりました。」
いつの間にか後ろに来ていた隠に的確に指示を出すしのぶ。