第8章 無限列車
少し考え込むような仕草をしたあと、顔を上げてニコッと微笑む。
『とりあえず、目覚めた方たちに話を聞きましょう。引き続き、護衛をお願いします。』
田「はい!!」
元気よく返事をし、他の隊士たちに指示を出す田辺を横目に見ながら、村人たちの近くにしゃがみ込む。
『皆さん、始めまして。
鬼殺隊 桜柱 音白杏と申します。少々お聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか??』
できる限り優しく、安心させるように微笑む。
「音白…さん…。あの、化け物は…。」
『大丈夫です。“あれ”はもう倒してきましたから安心なさってください。』
おそるおそる言葉を絞り出した村長と思わしき老人が尋ねるのに穏やかに答える。
「おぉ、それは……ありがとうございます。」
『いえ、これが私たちの仕事ですから。
皆さん、何か気分が悪かったりはしませんか??
それか、どこかに怪我を負っている方は…。』
「ここにいる者は皆、無事でございます。
本当にありがとうございした。」
深々と頭を下げる村人たち。
『いえ、お礼でしたらあちらの方にお願いします。皆さんの治療をしてくださったのは彼女ですから。』