第8章 無限列車
日輪刀を抜き、顔の前に掲げて妖艶に微笑む杏。
鬼「っ、なめるなぁっ!!」
しのぶと杏の微笑みに鬼が形相を変え、突っ込んでくる。
し「杏さん、とどめをお願いします。」
『わかりました。』
その言葉と同時に飛び出すしのぶ。
─蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き─
鬼「ぐっ、……??…頸……。」
しのぶの突きの威力に呻き声を上げるも、頸が斬られていないことに困惑する鬼。
し「あなたも毒を使うんですよね??
ふふっ。さぁ、私の毒はどうかしら。」
微笑むしのぶを見て顔が青くなっていく鬼。
──ドクン
鬼「ぅ、ぁあ…!!」
苦しみ始める鬼。
鬼「フーッ、フーッ、フーッ……。」
悶苦しみながらもしのぶを睨みつける。
し「やはりこの鬼には効きづらいみたいですね…。杏さん、お願いします。」
自分の日輪刀を眺めながら小さく呟き、杏の方を向く。
『はい。』
─ 桜の呼吸 肆ノ型 花明かり─
鬼「うっ…、」
辺りがパッ、と光り、鬼が眩しそうに目を細める。
鬼「………え??」
次に目を開いた鬼が見たのは逆さまに落ちていく景色だった。