第8章 無限列車
田辺の言葉に杏はうなずく。
『彼の言っていることは本当でしょう。あの屋敷の扉の下に何かを引きずったような跡がありました。血痕もです。』
し「そうですか…。」
『しのぶさんはこのまま治療をお願いします。
鬼は私が。』
日輪刀に手を当てる杏。
し「いえ、私も行きます。
ここは隠の方たちに任せても大丈夫でしょう。」
しのぶのその言葉と同時に隠たちが村に入ってくる。
隠「胡蝶様。」
し「この薬を倒れている方たちにお願いします。」
隠「はい。」
大量の薬を隠に手渡すしのぶ。
し「さぁ、行きましょう。杏さん。」
『はい。田辺隊士は隠たちの護衛を。
他の隊士たちが目を覚ましたら、隠たちの護衛をするように言ってください。
桜柱の命だと伝えてくださっても構いませんから。』
田「はい!!」
元気に返事をする田辺を見て杏としのぶは目を合わせて屋敷へと走り出す。
『……いきます。』
──ガッ
杏が扉を思いきり蹴り飛ばす。
し「やっぱり杏さんの蹴りはすごいですねー。」
室内へと飛んでいった扉を見て呟くしのぶ。
『そんなことないですよ。…いますね。』