第2章 甘味処〈さくら〉
転がる客を上から見下ろし、微笑むゆり。
客「くっ、」
ゆ「このお客さんにお引き取り願うのにどなたか手伝ってくださる方はいらっしゃいませんか??」
まだ食い下がろうとする客の言葉を遮り、周りに尋ねるゆり。
客B「手伝うよ、ゆりちゃん。」
客C「ここは任せて。」
ゆりの言葉に常連客たちがすぐさま動く。
ゆ「ありがとうございます。」
客C「気にしないで、さぁいくぞ。」
客B「さっさと歩け!!」
客「くそ、こんな店二度とくるか!!」
常連客たちに引きずられながら店から出ていく信者である客。
ホッと胸を撫でおろす杏。
客「おい、そこの娘!!」
突然、信者である客から呼ばれ思わずビクつく杏。
すぐさまつばきともみじが杏を抱きしめ、ゆりが杏の前に立つ。
客「お前は自分で幸せになる道を捨てたのだ!!
どうなっても知らないぞ!!」
客B「こいつ、まだ言うか!!」
客C「黙って歩け!!」