第7章 自覚と覚悟
『はい。お世話になりました。』
ペコッと頭を下げその場を後にしようとしたが、何かを思い出し、しのぶの方に向きなおる。
し「??」
首を傾げるしのぶの目をまっすぐ見て口を開く。
『炭治郎くんと……禰豆子さんのことよろしくお願いします。』
し「っ!!……………わかりました。」
杏の言葉に少し目を見開くも、すぐにいつもの笑顔になるしのぶ。
し「杏さんが全集中常中については教えたんですよね??」
『そうですね…。ただ全集中常中のことを教えただけで訓練の仕方とかはまったくですが…。』
し「…それだけにしてはすごいですね。」
たまに見る炭治郎の訓練中の姿を思い浮かべ、呟くしのぶ。
『真面目で素直な子だと思います。
おそらくですが、嘘もつけない性格でしょう。』
し「あの夜に話したのと今日話したのでそこまでわかるんですか??」
『はい。話してみると案外いい子で驚きました。訓練も真面目に折れずに頑張っているようですし。』
し「そうですか……。」
『しのぶさん??』
考え込むようなしのぶに首を傾げる杏。
し「いえ、私も少し…話をしてみようかと思いまして。」