第7章 自覚と覚悟
し「えぇ。ですから、今日の任務の報告書も明日までには書いてくださいね。」
『…は、はい。』
しのぶが決意を固める杏に笑顔でアドバイスすると、苦い顔をする杏。
このようなやりとりをたまに見る柱の面々はまるで親子のようだと言う。
齢は2つしか違わないのだが………。
し(杏さんは普段はしっかりしてるように見えますけど、子供っぽいというか…お世話したくなるようなことも多いんですよね。妹感が強いといいますか…。時透くんよりお世話したくなります。)
柱の中で最年少である霞柱の少年のことを思い浮かべながら軟膏を羽織の袖に入れる杏を見つめる。
『しのぶさん。』
し「どうしました??」
『いえ、何だか見られていた気がしたので…。』
見ていたことに気づかれ、眉をピクッと動かすしのぶ。
し(こんなことには敏感なんですけどね…。)
一向に気持ちに気づいてもらえないどこかの助平柱のことを不憫に思いながら話を逸らす。
し「少し考え事をしていただけですよ。
今日も泊まっていかれますか??」
『いえ、今日は帰ろうと思います。』
し「そうですか。では、お気をつけて。」