第7章 自覚と覚悟
炭「は、はい。」
しのぶの静かな声に思わずビクつく炭治郎。
炭(しのぶさんのこの匂いは……アオイさんの足を掴んだ伊之助を怒っていたときの…。)
あのとき怒られていた伊之助を思い出し、青ざめる炭治郎。
杏(あ、やばい…。しのぶさんめっちゃ怒ってる…。)
付き合いの長さゆえか、しのぶの怒り度を瞬時に理解した杏。
『あの、しのぶさん。』
おずおずと手を上げながら話に割り込む。
し「どうなさいましたか??杏さん。」
にっこり笑顔のしのぶ。
杏(…こわい。本当にこわい。けど……。)
意を決して、口を開く。
『その……、私からもかなり厳しく言っていますので…その、』
あまり厳しくは…と、続ける杏。
しのぶが杏から炭治郎の方に視線をうつすと、必死に首を縦にふる炭治郎。
ふぅ、と小さくため息をつくしのぶ。
し「わかりました。では、私からは1つだけです。
静かにしていてくださいね??」
2人に静かにするように指を唇にあてる。
杏と炭治郎が頷いたのを確認すると、静かに部屋の扉を開ける。
炭「あ……。」