第7章 自覚と覚悟
炭「っ!!」
弾かれたように杏の方へ顔を向ける炭治郎。
今までずっと前を向いていた杏が振り返り、炭治郎を見ている。
『もし貴方が死んだら、禰豆子さんの身元は……後見人である冨岡さんでしょうか。
それか、元水柱の鱗滝左近次様。
ただでさえお世話になっている方たちにこれ以上負担をかけるんですか??
…あぁ、そもそもあなたが死んだら禰豆子さんの鬼化が進むかもしれませんね。
唯一の肉親である兄を失ったとして、今の禰豆子さんに受け入れられるかしら。
そのショックが原因で人を襲えば、彼女は勿論、冨岡さんも鱗滝様も切腹……。
お二方を失うのは鬼殺隊…お館様にとっても大変困ることです。』
少しも笑顔を作らない杏。
炭(自覚……そして、覚悟……。)
炭治郎は杏が言わんとしていることがわかったような気がした。
炭「最後まで……。」
おそるおそる口を開く。
杏はそんな炭治郎をじっと見つめていた。
炭「最後まで、禰豆子を守り抜くという覚悟……ですか??」
炭治郎の言葉を聞き、ふわっと微笑む杏。