第7章 自覚と覚悟
炭「……はい。」
流石の炭治郎も先程言われたこともあり、今回の行動は軽率であったと感じていた。
『まず、あなたは自覚を持ちなさい。』
炭「自覚…ですか??」
静かな杏の声に少し恐怖を感じつつも、歩きながら杏を追いかける。
かつて、師である鱗滝に言われたことを思い出す炭治郎。
炭「それは、鬼である禰豆子を庇っているという自覚ですか??」
しかし、杏からの返事はまったく違うものだった。
『あなた自身の命の重さです。』
炭『俺自身の命……ですか??』
『えぇ。』
杏の言葉に思わず足を止める炭治郎。
しかし、杏の足は止まらない。
『那田蜘蛛山でのこと、聞きましたよ。
相打ち覚悟で下弦の鬼に突っ込んだそうですね。』
炭「は、はい!!」
はっ、として慌てて杏を追いかける炭治郎。
炭「義勇さんが来てくださって助かりましたが…。」
『もし、冨岡さんがいらっしゃらなければどうなってましたか??』
炭治郎の方を見ず、歩きながら問いかける。
炭「…俺は確実に死んでいました。」
下を向き、呟くように言う炭治郎。
『ではそのときでも、先程でも、どちらでも結構です。
貴方が死んだら、禰豆子さんはどうなると思いますか??』