第7章 自覚と覚悟
炭治郎は目を見開き、刀をかるく振り鬼の血を落とす杏を見る。
炭治郎は柱が目の前で戦っている姿を見るのは、冨岡、しのぶに続き、杏が3人目だ。
炭(これが桜柱…。すごい…!!)
炭治郎が固まっているなか、杏は消えてゆく鬼に手を合わせる。
それを見てハッとした炭治郎も隣で手を合わせる。
炭「神様どうか この人が今度生まれてくる時は鬼になんてなりませんように……。」
『………。』
手を合わせながら呟く炭治郎をじっと見つめる杏。
杏(つい先程まであの鬼に喰われそうになっていたのに……。)
以前、炭治郎が蝶屋敷で機能回復訓練を行っていた姿を思い出す。
杏(真面目で素直……。そして、優しいのね。
鬼に対しても同情心を持っている…。)
杏が炭治郎を分析していると目を開け、立ち上がる炭治郎。
炭「あのっ!!ありがとうございました!!」
『いえ…。さぁ、行きますよ。』
炭「??」
『………。』
キョトンとする炭治郎。
はぁ、とため息をつく杏。
『蝶屋敷です。他にありますか??』
炭「そっ、そんな!!
送っていただくなんて悪いです!!」