第7章 自覚と覚悟
──ヒタヒタ
鬼「どこにいったんだー??」
美しい月明かりの中、歩き回っている一匹の鬼。
──ハァハァ
荒れる息を必死に整える額に痣のある少年。
炭「まずいっ…。」
炭治郎のおつかいは順調だった。
紙に書かれていた物たちは閉店ギリギリではあったものの無事に買い、蝶屋敷へと戻っていたところに鬼と遭遇した。
日輪刀がないため走って逃げるしかなかったが、鬼の驚異的な粘り強さにより、2時間ほどこの膠着状態が続いていた。
炭(なんて諦めの悪い鬼なんだ…!!
このままでは蝶屋敷には戻れない…!!)
蝶屋敷は鬼殺隊の診療所。
今、蝶屋敷にいるのは治療中の戦えない隊士たちにお世話してくれる女の子たち。
唯一、戦えるしのぶとカナヲは任務にでている。
もしかしたら、もう戻っているかもしれない。
しかし、戻ってみていなければ蝶屋敷にいる者たちは全滅になるだろう。
炭(自分で何とかするしかない…!!)
そう覚悟した炭治郎の頭上を一羽の鴉が飛んでゆく。
炭(あの鴉…。)
見覚えのある鴉に少し意識を向けた瞬間、
──クンッ