第7章 自覚と覚悟
鬼「ぐはっ……!!」
『不死川さん!!』
不「あァ!!」
─ 風の呼吸 陸ノ型 黒風烟嵐 ─
──ザシュッ
足元に転がる鬼の頸。
消えていく鬼の体に手を合わせ、木の下に座らせた女性のもとへ向かう杏。
『お怪我はございませんか??』
「は、はいっ!!大丈夫で…っ、」
勢いよく返事をしようとした反動で痛む腕をおさえる女性。
『無理はいけません。腕ですね??』
「は、はい…。」
杏は羽織の袖から軟膏を取り出し、女性の腕に塗っていく。
『これは特別な薬ですから。
はやく、綺麗に治りますよ。』
綺麗な腕なんですから大事にしてください、と言いながら女性の手当をしていく杏。
包帯を巻き始める杏の後ろで不死川が鴉を飛ばす。
杏(あ、なくなっちゃった…。)
空になった容器を袖の中に戻しながら不死川の方へ向かう。
『不死川さん。隠への連絡は…』
不「もう済んだぞォ。」
『ありがとうございます。
…この山から他の鬼の気配はしませんね。』
不「あァ。おそらくアイツだけだろうなァ。」
辺りを見回しながら話す2人。