第7章 自覚と覚悟
不死川の返事を聞いた瞬間、杏はさらに速度を上げ、1人で鬼に突っ込み、不死川は走りながら刀に手をかける。
鬼「っ、お前はっ、鬼狩りか!!」
不死川の殺気に気づいた鬼が突っ込んでくる杏に向け、鋭い爪を伸ばす。
『……遅い。』
小さく呟き、スッと爪を避け、そのまま座り込んでいる女性を抱きかかえ、鬼から距離をとる。
鬼「なっ!!その娘はオレの獲物だ!!
返しやがれ!!」
『もう大丈夫ですよ、お嬢さん。』
後ろで喚いている鬼を無視し、腕の中にいる女性に微笑む。
「あ、あなたは…、きゃっ、」
『あら、失礼。』
無視されたことに怒ったのか後ろから飛びかかってくる鬼を避けるため、上へと跳び上がる。
突然、上へ跳んだことに驚いたのか、小さく悲鳴を上げる女性。
『もう一度跳びますよ。』
「え??……きゃあぁぁぁ!!」
──トンッ
着地すると同時に再び跳び、木の枝に着地する。
「も、もう、跳びませんか…??」
下を見ながら怯えている女性をしばらくじっ、と見たあと、ニコッと微笑む。
『えぇ、あとは最後に下に降りるだけですよ。』