第6章 蝶屋敷
彼も、鬼舞辻無惨に人生を狂わされた1人だ。
人を鬼に変えるのは鬼舞辻無惨。
現在わかっている情報では、鬼となった者を人に戻す方法はない。
ならば鬼舞辻無惨が鬼を、禰豆子を人に戻す方法を知っているかもしれないと思ったのかもしれない。
はたまた、禰豆子を鬼に変えたことによる復讐か。
どちらにせよ、禰豆子のために戦うのだろう。
でも、まだまだ彼は弱い。
今のままでは禰豆子を守れない。
逆に禰豆子に守られ、禰豆子を失うかもしれない。
まぁ、禰豆子は鬼だからそう簡単には死なないが…。
彼の中では“全集中常中”という言葉の意味がわからないのだろう。
全集中の呼吸を四六時中やりつづけるなんてそんな発想すらおこらない。
新人の隊士なんてそんなものだ。
杏(もう少しわかりやすく教えたほうがいいかしら…。)
あまりにも負け続ける炭治郎を見て哀れに思えてきた。
しかしふと、視線を移すときよ、すみ、なほが炭治郎を心配そうな顔で見ていた。
杏(きよちゃん、すみちゃん、なほちゃん…。
……少し、手伝ってもらおうかしら。)
顎に手を当て、ふむと頷く。
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