第2章 甘味処〈さくら〉
そんな杏の様子にいけると思ったのか、その客はものすごい勢いで話しだした。
客「はい!!万世極楽教はなんといっても教祖様が素晴らしいのです!!あんな素晴らしい方は他にはおりませんよ!!」
『えと、………そうなんですか。』
ものすごい熱量で語られ、どうしていいかわからずタジタジになる杏。
客「そうです!!なんといっても教祖様がたいへん素晴らしいお方でして、生まれながらにして虹色がかった瞳、白橡色の髪といった特異な容姿に加え高い知性を併せ持っておられるのです!!」
『はぁ…。』
ものすごい弾丸トークに思わず引き気味になる杏。
そんな杏をお構いなしに、信者である客は興奮したように話を続ける。
客「教祖様は神の声が聞けるお方なのです!!
素晴らしいでしょう??」
杏の手を掴み、ぐいっと顔を寄せてくる。
『あの、すみません。すこし離れて…』
流石にまずい感じがして離れようとする杏。
しかし、客の次の一言で動きが止まる。