第6章 蝶屋敷
産屋敷家の方々に危害を加えようものなら、容赦なく禰豆子の頸を斬ると言っているのと同じなのに禰豆子を撫でる手は優しい。
禰「ムー。」
禰豆子も撫でてもらってずっとご機嫌だ。
いくら幼子のような容姿をしているとはいえ、今の禰豆子は鬼だ。
自分に対する敵意はすぐわかるはず。
その禰豆子がたった2回会っただけでここまで懐くということは本当に禰豆子に危害を加える気がないのだろう。
炭「…わかりました。
もしよろしければ、これからも禰豆子に会いに来てやってもらえませんか??」
禰豆子も杏さんのこと大好きみたいですし、と続ける炭治郎。
『えぇ。蝶屋敷にはよく来ますし、時間がとれそうなときは。』
頬を擦り寄せてくる禰豆子の頬に触れる。
炭「あ、ありがとうございます!!」
勢いよく頭を下げる炭治郎を見て、ふふっと笑う杏。
──コンコン
し「杏さん、今日は泊まっていってください。
もうこんな時間ですし。」
扉を開け、ヒョコっと顔を出したのはこの屋敷の主であるしのぶ。
『いいんですか??こんな急に…。』
ありがたい申し出だが、流石に遠慮する杏。