第6章 蝶屋敷
シュビッと元気よく手を挙げる善逸。
『そうですね…。』
し「ダメですよ。
竈門くん以外はちゃんと寝てくださいね。」
杏が少し考えようとすると、しのぶが止める。
炭治郎と善逸の後ろでこっそりと俺も起きていようと考えていた伊之助がバッとしのぶの方を向く。
し「きみたちのケガは決して軽くはないんですよ??睡眠は大事ですからね。」
『だ、そうです。
しのぶさんの言うとおりにしましょうね。』
善「う、はーい…。」
ニコッと笑ってうなだれる善逸をたしなめる。
『それでは、失礼します。』
し「はい、お気をつけて。」
──シュッ
伊「っ!?」
炭「消えた!?」
善「え、何いまの!?」
最後にふわりと微笑んだ杏がしのぶの言葉を聞いた瞬間にその場から消えた。
3人は何が起こったのかわからず目を見開く。
し「さぁ、機能回復訓練再開ですよ。
アオイ、カナヲ、あとはよろしくね。」
ア「はい、しのぶさま。」
アオイが返事をし、カナヲも頷く。
炭「あの、しのぶさんは…。」
出ていこうとするしのぶを炭治郎が呼び止める。