第44章 反撃の狼煙
善「うわいィイ!!」
伊之助がばら撒いた紙を見た杏はあぁ、と腑に落ちる。
杏(この紙…あの鬼の女の仲間の血鬼術か。そしてあの子たちがそれをつけてきたということは…あの鬼と出会って守ってくれたのね。)
祈里と音羽と目が合い、笑みを向けて頷く。
2人が頷いたのを確認して無惨へと注意を戻す。
ただでさえ、珠世から向けられた猫により悲鳴嶼達が回復し苛々していたのに。
更に珠世により新たな人数が増えたともなれば無惨の苛立ちも最高潮。
そしてそんな無惨を追い詰めるため少しずつ鬼殺隊の反撃が始まる。
伊之助達へ意識を向けていた無惨は柱たちへの意識が薄れていた。
特に…
伊「!」
──ザシュッ
先ほどヘロヘロだった伊黒への意識は無惨の中で特に薄くなっていた。
その隙をくぐり抜け、無惨の右腕を斬る伊黒。
更に、
──ズズッ
先ほどと、圧倒的な再生の違い。
不「遅い!!赫い刃で斬られると無惨でさえ再生が遅くなる!!」
光明が見え、ニヤリと口角をあげる不死川。
そんな無惨の隙をつき、今度はカナヲと善逸が愈史郎の術により再び姿を眩ました。
そして、
ー 花の呼吸 肆ノ型 紅花衣 ー
ー 雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 ー
どこからともなく、飛んでくる攻撃。