第44章 反撃の狼煙
すると、また無惨の体に異変が生じた。
──ビチッ
鬼「!」
ザシュッと斬り落とされる左腕。
鬼(またこの断面。切れ味の悪い刃物だ…ガタつきがある。)
そこで無惨は確信した。
鬼(成る程“いる”な…。姿は見えないが…“いる”。)
この術には無惨も覚えがあった。
鬼(珠世の鬼の術で姿を隠しても動くかぎりは存在を消せない。)
土埃が舞い、風を斬る音がする。
鬼(1人…2人…。)
──ヒュカッ
鬼(5人。)
その瞬間、見えなかった5人の姿が突如現れた。
善「いだァァ!!やだァァもォォ!!」
カ「くっ…。(こんなに早く気づかれるなんて…!!)」
伊「いっ…ってェェェ!!この糞虫が!!」
祈「うっ、」
音「いっ……た、」
無惨に術を破られ、突如姿を現したのは善逸、カナヲ、伊之助、そして祈里と音羽の5名だった。
これには、悲鳴嶼も思わず声を上げた。
悲「お前達、生きていたのか…!!」
そんな悲鳴嶼に対し、伊之助が真っ先に反論する。
伊「死んでたまるかボケェ!!あと俺この紙いっぱい持ってるからな!!いっぱい拾って来たんだぜ!!何枚切られても山ほどあるんだよ、テメェの攻撃なんざ…」
そんな伊之助へ無惨の攻撃が飛んでくる。
悲「無駄口をきくな!!」