第42章 集結する力

──ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ


無惨の圧倒的な攻撃力。


柱6人がかりにも関わらず、致命傷を負わないよう自身を庇うことがやっとでなかなかこの場を切り開けない。


そんな中でも、特に甘露寺は自身の力の及ばなさを痛感していた。


甘（見えない！！全然見えない！！勘で運良く避けれてるだけ。私が一番に潰れる…！！少しも役に立ててないのに…！！）


どうせ潰れてしまうなら、何とか少しでもみんなの役に立って死にたい。


そんな想いが、甘露寺を動かす。


甘（捨て身で突っ込むしかない…。それでも無惨の動きを止められるか分からないけど…。）


そんな事を考えながら逃げ回る甘露寺へ無惨の攻撃が襲い来る。


──ﾋﾞｼｬｱｱｱｯ


捉えきれない程の速さの攻撃を甘露寺は今までの経験や勘で凌ぐ。


甘（斬りかかるより、　間合いを詰めて羽交い締めした方が、もしかしたら…。）


少しでも長く無惨動きを止めて役に立ちたい。


この状況を打開したい。


そんな想いを強くする甘露寺は何か強い力に引っ張られる感覚に襲われた。


甘（えっ…、引っ張られ…）


──ｽﾞｼｬｯ


無惨の攻撃が当たり、その威力に耳や頬がえぐれる大怪我を負ってしまった。


──ﾄﾞｶﾞｯ


『蜜璃さん…！！』


そのまま抵抗すら出来ず、家の外壁に衝突し倒れ込む甘露寺。