第42章 集結する力
その道中、彼は“うた”という少女と出会った。
流行り病で家族を亡くし、独りになってしまい寂しいと泣く彼女に縁壱は一緒に家に帰る事を提案。
そのまま二人は共に暮らし始めた。
縁壱にとって彼女との生活はかけがえのない日々だった。
それから十年後。
2人は夫婦となり、子も授かった。
そんなある日、うたの臨月が近づき、産婆を呼ぶため縁壱は家を空けた。
日が暮れる前に戻るつもりだったが、その道中人助け等をしていた事により帰りが遅くなってしまった。
急いで家に戻った縁壱だったが、家に着いた時にはうたはお腹の子もろとも殺されていた。
そのまま十日ほど。
鬼の足跡を追ってたどり着いた剣士に声をかけられるまで、彼は2人の亡骸を抱いていた。
それから縁壱は幸せな生活を脅かす鬼が存在する限り、自身と同じような目に合う人がいる。
その事を嘆き、鬼狩りとなった。
縁壱が鬼狩りとなり、呼吸を教え始めた事により鬼殺隊は凄まじい勢いで鬼を倒せるようになった。
その後、自身の兄も鬼狩りとなった。
それから間も無く、彼は無惨と出くわした。
無惨を見た瞬間、彼はこの男を倒すために生まれてきたのだと分かった。