第42章 集結する力
それよりも、この子の言葉に対し炭治郎は困惑の表情を浮かべた。
炭(と、父さん??俺のことか??この子…誰だ??)
「うー、んー」
そんな炭治郎に対し、子どもは何かを伝えようとある一点を指差した。
炭(??)
指差す方へと視線を動かした炭治郎。
そこにいたのは、炭治郎が前に1度走馬灯で見た剣士の姿だった。
炭(始まりの呼吸の剣士。縁壱さん…か……??)
炭治郎に向かってペコッと一礼する縁壱。
そのまま2人は話をするべく縁側へと腰を下ろした。
落ち着いた所で訪ねて来た縁壱が静かに口を開いた。
縁「誰かに、話を聞いて欲しかった…。随分考えて、思い浮かんだのがお前とすやこの顔だった。」
目の前に居る始まりの呼吸の剣士。
炭治(もしかしたら、13番目の型について聞けるかもしれない…。)
継承されなかった13番目の型。
この型について何か分かれば、無惨を倒せる切っ掛けが掴めるかもしれない…と炭治郎は胸を高鳴らせていた。
けれど、彼の語った物語は壮絶なものだった。
母が亡くなった後、寺へ出家するよう父に言われ家を出た縁壱だったが寺へは行かず、ただ行く宛も無いまま足を進めていた。