第42章 集結する力
ゆっくりと目を開く炭治郎。
その目に映る、穏やかに広がる青空。
炭(青空??夜が明けたのか??)
けれど、誰かの鴉が夜明けまで1時間半だと教えてくれた。
たとえ自分が暫く眠っていたにしても、日の上がり具合を見れば夜明けではない事は一目瞭然。
炭(いや違う…。そんなはず…)
それと同時に、自身の体の変化に気がついた。
炭(あれ??匂いが全然しない…。)
その事に気づいた炭治郎は辺りを見回した。
小鳥のさえずりが聞こえる山の中。
そこに佇む一軒の家。
炭(これ…うちか?いや…似てるけど少し違う。うちじゃない…、)
次に気づいたのは、自分自身。
炭(何をしてるんだ俺は??)
手に持つ小型の斧。
傍には積み上げられた木々。
炭(…薪割り??)
何度かこのような不思議な体験をしている炭治郎は、ただの夢では無いとなんとなく分かった。
炭(走馬灯を見てるのか??)
その瞬間──…炭治郎の履き物が、グイッと小さな地からに引っ張られた。
「とーたん。」
足元を見れば、見覚えの無い2歳程の子ども。