第42章 集結する力
無惨の頭上から振り下ろされた刃が、彼の体を真っ二つに斬り裂いた。
もちろん、再生が速すぎるため直ぐ元通りになった無惨は後ろを振り返る。
無惨を斬り裂いた人物は不死川。
不死川は無惨へと複数の液体が入った瓶を投げ飛ばした。
──ヒュカッ
当然その攻撃を回避しようと自身の攻撃で瓶を割った無惨はその液体を全身に被った。
──ビシャッ
液体の正体に気付き、目を見開く無惨。
その直後、不死川は火の付いたマッチを無惨目掛けて飛ばした。
──ゴウッ
一気に燃え上がる無惨の体。
これには無惨も青筋を立て不死川を睨み付けた。
鬼「小賢しい真似を。」
不「テメェにはこれくらいが似合いだぜぇ。ブチ殺してやる、塵屑野郎!!」
『えぇ、本当に。よくお似合いですよ。』
啖呵を切る不死川の背後から現れた杏が無惨に向かって更に小瓶を放り投げると更に激しく燃え上がる。
不「お前俺の袖から抜いたろォ。」
『気づかない方が悪いんですよ。』
ジトリ、とした視線を向ける不死川に杏は小さく笑いながら答える。
鬼「青い彼岸花の娘か。」
腕を軽く振り回して火を消す無惨。
そんな無惨の言葉に杏は空を飛ぶ鎹鴉たちを見上げる。
『さて、夜明けまではあと1時間でしたか??貴方の死まであと1時間…素敵な地獄に連れて行って差し上げますね。』
そう言って微笑むと日輪刀を構えた。