第42章 集結する力
──ギンッ、ギャリッ、ギャガッ
刃のぶつかる音がより一層激しさを増す。
刃折れの刀で何とか凌いでいる冨岡は激しさを増すこの状況に限界を感じていた。
冨(刀を…拾わなければ。折れてないもの…そこに落ちてる水の呼吸の剣士の刀…。)
一方、伊黒もこのひっ迫した状態に顔を歪めていた。
伊(速すぎる!!3人がかりでも息が続かん。)
激しい戦闘の最中、柱たちも胸や手足など、複数箇所に無惨の攻撃を受けてしまっていた。
甘「あぐ…っ」
伊「甘露寺!!」
膝をついた甘露寺に駆け寄ろうとする伊黒を甘露寺の声が制した。
甘「自分の事だけ守って!!お願い!!」
その直後──…
──ガキィイイン
動けなくなった甘露寺の目の前で無惨の攻撃を誰かが止めた。
甘「!!」
ギュリン、ブンと大きな音を響かせる武器。
悲「遅れてすまない。」
ブンブンと鉄球を振り回す悲鳴嶼の頼もしい背中に甘露寺は安堵の涙をこぼす。
鬼(黒死牟を倒した鬼狩り……。)
悲鳴嶼の気配のせいか、無惨は更なる柱たちの到着に気づけていなかった。
──ズドッ
鬼「!」