第42章 集結する力
鱗「禰豆子…。」
傍でずっと彼女を看ていた鱗滝が飛び起きた禰豆子へと声をかける。
鱗「…禰豆子、どうした──」
その瞬間──…
──バキャッ
禰豆子は鱗滝には見向きもせず、その場を飛び出していた。
禰豆子が寝かされていた部屋は輝利哉様たちのいる部屋の直ぐ側にあった。
そのため、突然訪れた衝撃音に輝利哉様たちの警護をしていた宇髄と槇寿郎は驚き目を見開いた。
宇「あ!?竈門禰豆子どこ行ってんだ!!」
その音ですぐに駆けつけた須磨が叫び出す。
須「あーーーーっ大変!!戸をブチ破ってるわ!!」
この状況を見て元柱である槇寿郎は、直ぐさま輝利哉様へと指示を仰いだ。
槇「お館様!!鬼の娘が飛び出しました!!如何致しますか?」
これには輝利哉様も酷く動揺した。
輝(なぜだ??どうしたんだ??どうすればいい??わからない。まさか無惨に操られている??違う、そんなはずはない…。)
輝(もしや、薬が効いて人間に戻った??いや…だとすれば、左近次が捕らえているはず…。追わなければ…!!)
禰豆子が急に飛び出した理由はわからない。
けれど、この状況で禰豆子が飛び出したとなれば、どこへ向かっているのかは何と無く予想がついていた。