第6章 蝶屋敷
カ「はい。よろしくおねがいします。桜柱様。」
『えぇ、よろしくね。カナヲちゃん。』
杏は羽織を脱ぎ、畳んで端に置く。
カナヲも同じように羽織を脱ぐ。
『反射訓練からでいいかしら。』
カ「はい。」
薬湯が置いてある台の前に座る。
善「ん??誰だろ、あの子…。」
伊「あ??」
炭「あ!!あの人!!」
床に倒れていた3人だったが、何かが始まるのを察知してムクリと起き上がる。
し「それでは、私が合図をしましょう。」
真ん中に立つしのぶ。
し「それでは、はじめっ!!」
──ダダダダダダダダ
目にもとまらない速さで薬湯に手を伸ばす2人。
一見、互角のようにも見えるが表情を見れば実力の差は歴然としていた。
カナヲが苦しそうに汗を流しながらしているにも関わらず、杏は微笑んだまま涼しい顔をしている。
しのぶはニコニコしながら2人を見ており、男共3人は呆然としている。
それもそのはず。
先程まで自分たちを負かし続け、3対1にも関わらず涼しい顔をしていたカナヲの顔がとても苦しそうなのだ。
──スッ
『前にしたときよりも速くなりましたね。』