第42章 集結する力
甘露寺はまさかの事態に困惑の色を隠せない。
そんななか、事実に真っ先に気づいたのは冨岡だった。
冨(違う、斬った!!確実に!!ただ、この化け物が…斬られた瞬間から再生している!!)
伊黒は即座に理解し、思わず顔を歪めた。
伊(頸を斬っても死なない。再生が速すぎて切断自体が不可能。)
無惨は頸を斬っても死なないと言うよりも再生能力が高すぎるため、切断そのものが出来ない。
正面に見据え、対峙してこそ伝わるその異常さ。
今までの鬼が上弦でさえも赤子のようだと感じてしまう程。
そして、次の瞬間。
──ヒュッ
無惨がこのまま黙ってるわけもなく、反撃を始めた。
伊(まずい、間合いが近すぎる!!)
ただでさえ鞭のようにうねり伸縮する無惨の攻撃は十分な間合いを取らないと即死に繋がる。
けど今は一斉に攻撃を仕掛けた事により、無惨との距離が近すぎて回避する前に無惨の攻撃に巻き込まれてしまう。
──ヒュッ
甘露寺は回避できない事を悟り、ギュッと目を瞑る。
──バッ
けれど次に訪れた衝撃は、攻撃を受けたものではなかった。