第41章 復活
鬼「全員死んだぞ。」
それだけ言うと輝利哉様と繋がっていた鴉さえも、無惨によって殺されてしまった。
──ボタ、ボタ、ボタ
無惨の体を返り血が滴り落ちる。
鬼「千年以上生きていると、喰い物が旨いという感覚も無くなってくるが、餓えていた今の食事は実に美味だった…。私の為にわざわざ食糧を運んできたこと…褒めてやろう産屋敷。」
そう言ってニヤリと笑う無惨の姿は、産屋敷邸を襲った時とは全く異なった姿をしていた。
長い白髪。
全身は、牙が剥き出しになった口が 無数に生えている。
まるでこの世の生き物とは思えない、おぞましい姿。
鬼「後継ぎとなった息子か娘…どちらが指揮を執っているのから知らぬが実に優秀だな。私の前で跪き頭を垂れるなら鬼にしてやってもいい。丁度私は殆ど部下を失った所だ。」
鴉からの応答が無くなった輝利哉様は最悪の事態に慌てて他の者へと指示を出す。
輝「第二陣も下がらせろ!!無惨に近づくな!!隊員が喰われると体力を回復させてしまう!!」
彼らの命を守るためにも、柱の到着を前にこれ以上無惨が回復してしまわない為にも、輝利哉様は懸命に声をあげた。
そんな無惨の傍には、先刻殺した鴉が付けていた愈史郎の眼が落ちていた。
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