第39章 上弦ノ月陰る時
不死川の向けていた日輪刀の刃に、自身の姿が鏡となり写ってるのが目に飛び込んできた。
黒(何だ、この醜い姿は……。)
その事に気づいた時。
黒死牟の目に、幼い頃の弟の姿が浮かび上がった。
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縁「兄上の夢はこの国で一番強い侍になることですか??俺も兄上のようになりたいです。俺はこの国で二番目に強い侍になります。」
ふわりと微笑む縁壱。
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そんな弟の言葉に、黒死牟は自問自答を始めた。
黒(侍の姿か??これが…。これが本当に俺の望みだったのか…??)
──ドクン
跳ねる心臓。
揺らぐ自身の心。
すると、先程まで何もなかったのに突然体の一部が崩れ始めた。
──ボロッ
黒死牟(!?体が崩れる…無一郎に刺された場所…。)
体の崩壊が始まったのは、時透に刺された場所。
それと同時に、再び頸や体へ凄まじい衝撃が訪れた。
──ゴシャッ
──ズバッ
──ザシュッ
悲鳴嶼の鉄球が黒死牟の頸を落とし、不死川の刃が体を斬り裂き、杏の刃が刀を握っていた腕を斬り落とした。
黒(技を出せ…技を…血鬼術が使えぬ…!!)