第39章 上弦ノ月陰る時
杏(斬れてない!?いや、確かに刀は通ったはず!!まさか斬ったそばから再生している!?なんて再生速度なの!!)
驚きのあまり目を見張っていると、再び触手が伸びてくる。
『くっ、』
ー 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ー
素早く対応しながらもどうしようもならない状況に奥歯を噛み締める。
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そんな杏の姿を見ていた不死川が口を開いた。
不「音白が捕まったァ!!脱出しようとしているが無理そうだ!!ひとまずは此奴をやるしかねェ!!」
目が見えない悲鳴嶼とあまり余裕のない時透に状況を説明する。
悲「なんと…!!」
時「杏さん…。」
時透は心配の視線を向けようとするもの、激しい攻撃でそんな隙も与えてもらえない。
時「くそっ」
悲「落ち着け、時透!!あの子も柱だ!!音白は大丈夫だ!!」
その言葉に時透はハッ、として、すぐに戦いに集中する。
悲(そうだ…!!こちらも集中せねば危うい。申し訳ないが、音白には頑張って耐えてもらう他ない…!!)
ー 岩の呼吸 伍ノ
悲鳴嶼が技を放とうとしたとき──…