第39章 上弦ノ月陰る時
ー 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ー
『なにこれ…!?』
戸惑いながらも触手を斬り裂く。
簡単に斬ることのできる触手に安堵しながらも、その再生速度に眉を顰める。
杏(この再生速度…まさか、無惨の細胞…??すでにここまで回復しているというの??)
日輪刀を構えながら四方を警戒しながら、檻の外に視線を向けると、再び激しい戦いが繰り広げられていた。
杏(私も早く参戦しないと…。こんなの斬っててもキリがないし…この檻斬れるかしら。)
幾度となく伸びてくる触手に舌打ちしながらよく檻を見てみる。
杏(鉄のように見えるけれど、ここから触手が生えているところを見ると鬼の細胞でできているはず。なら斬れる。)
そう結論付けると日輪刀を構え、技を放つ。
ー 桜の呼吸 参ノ型 狂い咲き ー
突き技で触手に細かく切り込みを入れて再生速度を落とす。
そして、遠心力を利用して檻を斜め上から斬り裂いた。
ー 桜の呼吸 漆ノ型 彼岸桜 ー
杏(斬れる…!!)
思っていたよりも簡単に刀が通り、よしと笑みが溢れるも、すぐに消えてしまった。