第39章 上弦ノ月陰る時
黒「無惨様…青い彼岸花の娘が、私の元に現れました…。」
無「…!!そうか!!そこだったか!!」
すると、無惨のものだと思われる視界が脳内に映る。
その視界には、無限城の中を杏に向かって伸びてくる触手が映っていた。
玄弥は自分が隠れていたことも忘れ、大声で叫ぶ。
玄「音白さん!!逃げろ!!」
『!?』
玄弥の突然の大声に鬼殺隊一同眉を顰め、警戒する中、
──ドンッ
という鈍い音と共に杏の真下の床を触手が突き破ってきた。
不「音白!!」
時「杏さん!!」
2人の叫び声と共に杏はその場から飛び退きながら、刀を構える。
『無惨…!!』
ー 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ー
触手をバラバラに切り裂き、少し離れた場所に着地する。
杏が無事であることに全員が安堵したその瞬間──…
──ガッシャンッ
『なっ、』
杏の真上から檻が落下してきた。
突然降ってきた檻に思わず、一同が呆けていると檻から大量の触手が伸び始めた。
『!?』
それらの触手が杏を探すようにゆっくりと伸びてくる。