第39章 上弦ノ月陰る時
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炭「1番弱い人が1番可能性を持ってるんだよ。玄弥。」
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それは炭治郎に言われた一言。
この話をしたのは柱稽古のとき。
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強くなりたいと躍起になる玄弥に炭治郎がと話してくれた。
炭「俺が上弦の陸と戦った時そうだったんだ。
俺が弱かったからこそ状況を変えられた。
敵がこちらを警戒する人絶対数は決まってるんだよ。
だから、後はそれを敵がどう割り振ってるかなんだ。
敵は強い人をより警戒していて壁が分厚いけど、弱いと思われている人間であれば警戒の壁が薄いんだよ。
だから、その弱い人が予想外の動きで壁を打ち破れたら、一気に風向きが変わる。
勝利への活路が開く。」
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優しく教えてくれた炭治郎の言葉が玄弥の心を突き動かそうと導いてくれる。
けれど勇気が出ず、最初の一歩を躊躇してしまう。
──ドクンドクン
玄(炭治郎、炭治郎…本当か??本当にそうか??俺に出来ると思うか??)
心の中で問いかける玄弥。
そんな玄弥の脳裏に浮かぶのは優しく笑う炭治郎の顔。
──ギュッ