第38章 柱の矜持
悲「例外はあったのだろう。痣を持ち、二十五を越えて尚生き続けた者がいた。」
その言葉を聞いた途端、黒死牟の纏う空気が変わった。
悲「動揺したな。私の読みは的中のようだ…な…」
その瞬間、悲鳴嶼の目の前に黒死牟が迫る。
悲鳴嶼の首に切先が触れようとしたとき──…
──ギャリィィイン
悲鳴嶼咄嗟に鎖で防御し、攻撃を防ぐ。
それをきっかけとしてか、再び激しい攻防が繰り広げられる。
そんな中、悲鳴嶼の指示通りに傷を縫い終わった不死川が呼吸を整えていた。
不「フゥーーーーッ フゥーーーーッ フゥゥゥゥゥゥゥウッ」
立ち上がった不死川の呼吸の音が変わる。
不「シィィッ シィィィィィィィイッ」
すると、頬に風車のような痣が浮かび上がった。
そのまま不死川は悲鳴嶼と黒死牟の激しい戦禍へと飛び込む。
──ガキィィインッ
黒死牟は即座に反応し、不死川こ刃を受け止める。
すると、直ぐに不死川の変化に気づいた。
黒(この男にも痣…。今の世代の柱、殆どが痣者か…。)
戦いながら考えを巡らせる黒死牟の真後ろに迫る悲鳴嶼の鉄球。
──ザッ
けれど、その鉄球を黒死牟はするりと躱す。