第2章 甘味処〈さくら〉
常に笑顔の絶えない素晴らしい店。ようやく新規のお客さんが収まってきた頃、常連客の1人がもみじに声をかけた。
客C「もみじちゃん!!
そろそろ“あれ”聴きたいな。」
客B「おお!!いいですね!!」
周りのお客さんもソワソワしはじめる。
も「えぇ、いいですよ。
杏、こっちへいらっしゃい。」
もみじは笑顔で琵琶を手に取りながら、杏を呼ぶ。
『はーい!!』
ニコニコ笑いながらやってくる杏。
も「さぁて、今日は何にいたしましょうか??」
もみじが常連客たちに尋ねる。
客A「そうだねぇ。
やっぱりキミたちのオススメがいいなぁ。」
手を顎に当て、少し考えて答えるお客さん。
『それじゃあ、いつもと同じですね!!』
も「ふふふ。それじゃあ、いきますよ。」
元気に答える杏を見ながら微笑むもみじ。
そんな妹たちを少し離れたところから見て微笑むゆりとつばき。
もみじは軽く息を吐くと、琵琶を軽くかき鳴らす。
心地よい琵琶の音が店に響き渡る。
客B「やっぱりもみじちゃんの琵琶はいつ聴いてもいいなー。」
客D「そうですねー。」