第37章 祈り
お「大丈夫だよ、カナエ。」
すると、不死川は今までの溜まった鬱憤を晴らすかのように叫ぶ。
不「白々しいんだよォ鼻につく演技だぜ。隊員のことなんざァ使い捨ての駒としか思ってねェくせに。アンタ武術も何も齧ってすらねェだろォ。見れば一発で分かる。そんな奴が鬼殺隊の頭だとォ?虫酸が走るぜェ。ふざけんじゃねェよ!!」
やり場のない自身の中の黒い感情を躊躇なくぶつける不死川。
『むぐっ…』
再び杏が動き出そうとしたのを宇髄が首根っこを今度は地面に押さえつける。
静まり返った空気の中、その場に響いたのはお館様からの謝罪の言葉だった。
お「ごめんね。」
それも誠心誠意、心の込もった言葉。
これには、怒り狂ってた不死川も思わず口をつぐんだ。
そんな不死川にお館様は静かに話し始めた。
お「刀は振ってみたけれど、すぐに脈が狂ってしまって10回も出来なかった。叶うことなら、私も君達のように体1つで人の命を守れる強い剣士になりたかった…。けれど、どうしても無理だったんだ。辛いことばかり君達にさせてごめんね。」
お館様のお言葉に不死川は呆然と立ち尽くす。