第37章 祈り
不死川はギリィ、と拳を握りしめ、お館様を睨み上げながら口を開いた。
不「いい御身分だなァ。おいテメェ、産屋敷様よォ。」
「「「「「!!」」」」」
これには他の柱たちの表情が険しくなる。
悲「不死川…口の利き方というものが分からないようだな…。」
すぐに口を挟んだのは悲鳴嶼。
杏も不死川に掴み掛かろうと立ちあがろうとした。
…したのだが、隣にいた宇髄に首根っこを掴まれ、立ち上がれない。
『っ、なにをするんですか、宇髄さん…!!痛いです!!』
小声で苦情を言う杏に宇髄はフンッ、と鼻を鳴らす。
宇「離したらお前あいつに飛びかかるだろ??お館様の御前で暴れる気か??」
『っ、』
その言葉に押し黙る杏の首から宇髄が手を離す。
宇「わかったんなら黙ってろ。」
『…はい。』
そんな杏と宇髄のやり取りが聞こえていたか定かではないが、お館様は悲鳴嶼に静止の言葉をかけた。
お「いいよ行冥。言わせてあげておくれ。私は構わないよ。」
カ「ですが…お館様…。」
心配そうに見つめるカナエ。
そんな彼女の気持ちを汲み、お館様は穏やかに微笑む。