第37章 祈り
宇髄は目を細め、杏も窺うような視線を向ける中、カナエがいつも通り笑顔で話しかける。
カ「はじめまして、不死川くん。花柱の胡蝶カナエです。これからよろしくね。」
不「……。」
しかし、不死川は返事をすることなく視線を逸らす。
その対応にカナエが少し寂しそうな表情をしたのを見た杏も声をかける。
『不死川さん、はじめまして。桜柱の音白杏です。よろしくお願いいたします。』
挨拶をすると、杏を見た不死川は視線を逸らしながら小さな声で尋ねる。
不「歳はァ??」
カナエの挨拶は無視したはずの不死川から質問をされたことに驚きながらも素直に答える。
『14歳です。』
不「……そうかァ。」
自分から聞いてきたくせにその一言しか発さない不死川に杏が不審げな視線を向けていると、カナエが近くにいた冨岡の手を引きながら笑顔で話す。
カ「ちなみに、私は不死川くんと同じ19歳よ。こっちの冨岡くんもね。彼は水柱よ。」
無視されたことはまるでなかったかのように笑顔のカナエに不死川は驚いたのか目を見開くもすぐに視線を逸らす。