第37章 祈り
その一瞬──…
不死川は走馬灯を見た。
柱になりたての不死川が初めて出席した柱合会議の時のことだった。
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2年前のよく晴れたある日──…
招集された柱たちは産屋敷邸の庭で談笑していた。
カ「そういえば…今日は新しく風柱になった方が来られるんですよね。」
悲「あぁ…。19歳だそうだ。」
カ「あら!!じゃあ、私と冨岡くんと同じ年なんですね。楽しみね、冨岡くん。」
冨「……あぁ。」
カナエに話を振られるも、小さな声で一言しか返さない冨岡。
『相変わらずですね。冨岡さん。』
カ「ふふっ、ほんとね。」
そんな冨岡に呆れた視線を向ける杏と楽しそうに笑うカナエ。
そこに宇髄がゆったりと歩いてきた。
宇「お、相変わらず早いなぁ。」
カ「あら、宇髄さん。こんにちは。」
『こんにちは、宇髄さん。遅かったですね。』
宇「ちょっとばかり須磨に引き止められてなぁ。」
ハッハッ、と笑う宇髄にその様子を想像したカナエはふふっ、と笑みをこぼす。
カ「相変わらずの仲良しですね。」
宇「俺が最後か??煉獄のダンナはまだか??」
『煉獄さんは遠方の任務のようで今日は欠席です。』
宇「そうなのか。ところで何の話をしてたんだ??」
カ「新しく柱になった方のお話しです。」
宇「あぁ、風柱か。」