第37章 祈り
ー 風の呼吸 陸ノ型 黒風烟嵐 ー
怪我を負わされても尚、刀を振るい続ける不死川。
これには、黒死牟も表情には出さないものの驚いていた。
黒(この小僧この傷でまだ動くか。今までの柱ならば、勝負はついた。)
不死川の様子をジッ、と観察する。
黒(しかし、奴は自ら出血を止めた。血を凝固させているのか??呼吸で??筋肉を引き絞り、臓物が飛び出るのを止めている??)
黒「どちらにせよ、人間に出来て良い芸当ではない…。初見なり…。面白い…。」
不死川の技を回避し着地する黒死牟。
けれど血に酔っているため足元が覚束ず、千鳥足になっている。
そんな黒死牟へ斬り込み続ける不死川。
──ガガガガッ
黒「ほろ酔う感覚も何時振りか…愉快…更には稀血…。」
不死川の技を回避しながらも、数百年振りに味わう心臓の高鳴りに酔いしれる。
けれども、そう易々と上弦ノ壱が倒れるわけがない。
──ヒュカッ
不死川の振り下ろした刀を避けると、そのまま日輪刀の先を踏みつけた。
──ドン
その物凄い衝撃に手負いの不死川は抗うことは出来ず、体勢を崩してしまった。
それと同時に不死川へと振り下ろされる刀。