第37章 祈り
一般の鬼殺隊員であれば即死。
それでも、この斬撃を喰らってなお立ってる不死川に黒死牟は何とも言えない表情で再び口を開いた。
黒「ふむ…随分堪えたが…ここまで…。動けば…臓物が…まろび出ずる…。」
もはやここまでか、と思われたそのとき。
──ドクン
突然感じる自身の体の変化。
黒死牟は眉間に皺を寄せる。
黒(脈拍が上がっている…何だ…??)
この黒死牟の変化には、誰よりも不死川本人が気づいていた。
不「フゥッフッ、フフッ、フフフッ。猫に木天蓼鬼には稀血。」
そう言った瞬間。
──ガキュイインッ
不死川が黒死牟に向かって刃を振るう。
黒死牟はそれをこれまで通り受け止めようとするも、千鳥足で足元が覚束ない。
これには、誰よりも黒死牟本人が驚いていた。
不「オイオイどうしたァ??千鳥足になってるぜぇ!!上弦にも効くみてェだなァこの血は!!俺の血の匂いで鬼は酩酊する!!稀血の中でも更に稀少な血だぜ!!存分に味わえ!!」
口から血を吐きながらも、意気揚々と叫ぶ不死川。
その彼の脳裏には昔のことが蘇っていた。