第37章 祈り
玄(兄貴…兄貴!!)
この状況でも見守ることしか出来ない玄弥はもどかしい気持ちになりながら行方を見守る。
不死川も上弦ノ壱のあまりの強さに心の中で舌打ちをする。
不(瞬きも出来ねぇ!!ほんの少し切先の振りをしくじっただけで即死だ!!)
そんなギリギリの闘いの中、黒死牟が口を開いた。
黒「古くは…戦国の世だった…。私は…このように……。そうだ…風の柱とも…剣技を高め合った…。」
ー 月の呼吸 陸ノ型 常夜孤月・無間 ー
繰り出された凄まじい広範囲の斬撃。
辺り一帯の格子の壁や部屋の柱までもが巻き込まれ、斬り裂かれ崩れる。
玄(兄貴!!兄貴!!)
そんな中、兄の姿が壁などに遮られて見えなくなったため、玄弥は焦りながら首を動かし、辺りを見渡す。
玄(どうなった!?どうなってる!?どこにいる!?くそっ!!見えない!!柱と格子の壁で…!!)
上半身と下半身が別れており、動けない玄弥は状況の把握ができない。
不「フゥッフゥッフゥッ、」
ボタボタと溢れ、床へと落ちる血。
流石の不死川もあの斬撃全てを避けることは出来ず、深手を負わされてしまっていた。
不「フゥッフゥッ、」