第5章 花屋敷
おはぎ好きな不死川のことだ。
もしかしたら今日中にもすべて食べてしまうだろう。
不「それじゃあなァ。」
『はい。では、またお互い生きていたら。』
不「おゥ。」
──シュッ
杏が手を振り、それを横目に不死川は一瞬で消える。
『相変わらずおはやいですね。』
先程まで不死川がいた場所を見ながら呟く。
杏(申の刻…。
これから蝶屋敷へは行けないわね。)
竈門兄妹の様子を見に行きたかったがこの時間では屋敷の主であるしのぶに迷惑がかかってしまう。
杏(…今日は非番だけど、巡回だけ行こうかしら。)
柱にはそれぞれに広大な警備担当地区がある。
鬼が現れた場合、現れた地区の担当の柱が滅殺に向かう。
しかし、現れてからでは遅いため巡回を行っている。
他にも鬼の情報収集や自身の剣技向上のための鍛錬などとても多忙な柱。
そんな柱だが、一応非番である日はあり、その日は自由に使うことができる。
1日寝てても、遊びに行くのもありだ。
しかし多くの柱は昼は自由に過ごすが、夜は巡回をするものが多い。
それは杏も例外ではなく、ほとんどの非番の日をそのように過ごしている。