第5章 花屋敷
『すみません。結局ほとんど持っていただいて。』
不「このくらいなんともねぇよ。」
『ありがとうございます。』
荷物の9割を不死川が持ち、2人は帰路についていた。
不「それより、ほんとに食材だけでよかったのかァ。櫛も見てただろォ。」
不死川の言葉に思わず足を止め、目を見開く杏。
『…気づいてたんですか??』
杏(確かに櫛も少し見てたけどほんの一瞬だったのに…。)
不「まぁなァ。…どうしたァ。」
足を止めた杏を不審に思った不死川がふりかえる。
『いえ…、大丈夫ですよ。
今使ってる櫛もまだ買ったばかりですし。』
不「ならいいがァ。」
気を取り直して再び歩き出す。
──ドサッ
不「ここでいいかァ??」
『はい、ありがとうございます。』
台所に荷物をおく。
不「俺も今日は失礼するぜ。」
『それでは、これどうぞ。』
時透のを包むときに一緒に包んでおいたおはぎを手渡す。
不「ありがとな。」
『いえ。心配はいらないでしょうが、
はやめに食べてくださいね。』
不「ほんとに心配いらねぇなァ。」
『ふふ、そうですね。』