第37章 祈り

対する不死川も上弦ノ壱の力をその身にひしひしと感じていた。


不（鳥肌が止まらねぇ。こいつの技、一振りの斬撃の周りに不規則で細かな刃が付いてる。それは常に長さ大きさが変型する。定型じゃ無い。時透がやられる筈だ。避けたつもりの攻撃の形が、変則的で歪。長い経験で培われた感覚が無けりゃ無理だ。）


不死川ら何とか攻撃を避けながら黒死牟の剣技を分析する。


不（さらにこの速さ！！）


──ﾎｫｫｫ


黒死牟の口から聞こえる独特な呼吸音。


不（しかもコイツ呼吸を使ってやがる。再生力、身体力が異常に高い。鬼が呼吸を使い、更に速度・攻撃力を高めているとは。）


不死川はニヤリ、と笑みをこぼす。


不「おもしれぇ…おもしれぇぜ！！殺し甲斐のある鬼だ！！」


そう言いながら不死川は直ぐに日輪刀を構える。


ー 風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風 ー


鋭い爪で斬り裂くような斬撃。


その鋭い斬撃を黒死牟は己の技で相殺する。


その隙をついて再び不死川が鬼目掛けて日輪刀を振りかざしながら飛びかかる。


──ｶﾞｷｭｯ


激しい金物のぶつかり合う音。