第36章 兄の願い
上弦の壱…黒死牟と時透の戦闘が始まっていた頃。
杏と不死川は雑魚鬼たちを粗方斬り尽くしていた。
『辺りに鬼の気配が殆どなくなりましたね。』
不「あァ。これだけ減らしときゃ遭遇する奴も減るだろうな。」
『そうですね。』
そう話しながら辺りを見渡す2人。
雑魚鬼はかなりの数を斬っていたが、肝心の鬼舞辻無惨や上弦の鬼を見つけることができずにいた。
こうしている間にも鬼舞辻無惨が薬を分解し、回復しているかと思うと焦りが募っていく。
『これからどうしま…っ!?』
不「っ!!」
これからの方針を話し合おうと杏が口を開いたそのとき。
2人はある気配を察知した。
杏(この気配は上弦の鬼…!!なんで急に…誰かが闘い始めたの??)
2人で目を見合わせると、ほぼ同時に気配のする方へと走り出す。
不「上弦だなァ。」
『えぇ。しかも、此奴の気配はあの童磨よりも寒気がします。』
不「となれば、壱かァ!!」
『恐らく…そしてもう戦闘は始まっていると思います。』
そんな会話をしながら全走力で走る2人。
杏(誰が何人で戦っているのかしら。お願いだから誰も死なないで。)