第36章 兄の願い
そんな黒死牟へ玄弥は冷や汗を流しながら自身の銃を向ける。
そして玄弥は思い切り引き金を引いた。
──ドンッドンッ
しかし──…
黒「そうは思わないか??お前も…。」
玄弥の背後から低く冷たい声が聞こえてきた。
──ドクン
心臓が激しく脈打ち、額を嫌な汗が伝う。
更に次の瞬間──…
──ゴトン
銃を握る玄弥の左腕が鈍い音を立て床へと落ちた。
時「玄弥ーーーーっ!!」
その姿を見た瞬間、時透は咄嗟に自分を突き刺している日輪刀へ手を掛ける。
時「ぐぅう…っ、」
何とか抜いて助けに行こうともがく時透。
けれど、鬼は待ってはくれない。
──ズパッ
玄「ぐぁっ…!!」
すぐに反撃しようと、日輪刀を取り出した玄弥の右腕も瞬きの間に斬られてしまった。
体勢を崩して倒れる玄弥。
そんな玄弥を冷めた目で見ながら、黒死牟は口を開いた。
黒「ふむ…そうか…鬼喰いをしていたのはお前だったか…。」
──ドン
玄弥の胴体が真っ二つに切断された。
時「…!!!!」
時透は目を見開き、焦りを募らせる。
時(抜けない…!!くそ、抜けない!!)